What happened before could happen again.

四年に一度、待ちに待ったアメリカ選挙戦の時期になった。 その大詰めと言えるテレビ討論(Presidential Debete)の第一回が開催された。 どこで見れるかと考えたが、やはりCSPANだろう。
http://www.c-span.org/
トップにすぐ発見。 90分。 晩ご飯を食べながらストリーミングで見る事にする。 カミさんに、アメリカの選挙文化について説明するにも良い機会だ。
http://www.nytimes.com/2004/10/02/politics/campaign/02trail.html?oref=login&hp
まず、どちらが優勢かという問いには、ケリーだったとしか答えようがない。 ブッシュは、明らかに準備不足だ。 例えばケリーの指摘に対する反論にも、実証値や実例を説明するのではなく、『自分には出来る』といった曖昧な意見しかだせない。 準備不足故、口ごもるケースも多かった。 正直、もう投げやりになっているという印象さえ途中で受けた。 一方ケリーは、明確かつ分かり易い指摘で同調すること容易である。 例えば、『イラク戦争は同盟軍で戦ったと言うが、9割の被害者はアメリカ兵であり、コストの9割はアメリカ負担である』『イラク戦争におけるアメリカのコストは2000億ドル*1』などなど、ディベートが終わった後でも記憶に残るポイント作りがうまく、やはり準備が周到に行われたという印象を強く受ける。 やはり選挙は、戦争と金か。 意外とケリーはディベートになると冴える。 いつもの地味な印象から、力強いスピーカーへと変貌する。
さて、この点を境に選挙戦は内政へとシフトしていく。 ヘルスケア、失業率、財政赤字原油高、そしてまたホームランド・セキュリティ。 そう、今回の選挙は、外政でも内政でもセキュリティ問題が焦点となる。 適正は無くても経験を持つブッシュにはやはり有利。 ケリーは軍属出身者(経験者ではあるが)ではない。 民主党候補として、そしてこれまでの彼のキャリアとして大きなプラス要因ではあったが、セキュリティ問題が焦点となったことは彼にとって大きな不運だろう。
しかし、経済問題への懸念も同時に強くなってきている。 ハーバードMBAホルダーであるブッシュが、最も前向きな政策と成果を出す事に苦労している分野である。 いくつかの消費者指数や失業率など、彼の暗い足下に強烈なライトを照らす可能性のあるものはまだいくつもある。
ディベートが重要であるとはいえ、ディベートで選挙戦がひっくり返った実績はあまりない。 しかし、前例はあるのである。 ケリーの善戦に期待するや切である。

*1:24兆円程度