百か日

父の百か日だった。 百か日は『気持ちの整理を終える日』だそうだ。
葬儀を終えて東京に帰ってから100日弱、当時の喧々とした状況を考えるとひっそりとした百か日。 今回事情により納骨もこの日に行うこととなった。 気持ちの整理はもちろん着く。 父には悪いが、気持ちの整理は既に終えていたように思う。 昔の人は情が厚いのか、現代人は忙しないのか、それとも私がただ薄情なのか。 どうでも良い。 父とは仲が悪かったが、最後の2週間、自分に出来る最高の看病が出来た。 父は急いで逝ってしまったが、まぁあの人らしい。 強がってはいるが寂しい思いも強いのも良く分かった。 父はあまり変わっていなかった。 その態度を受ける私は大きく変わっていた。 大人になるということは、ほんとにこういうことだと思う。 そして、これはこれで良いんだと思った。
納骨の際、それまで曇り気味だった中に雨が降り出し雷が鳴った。 帰りの車ではすっかり雨は止まっていた。 父が『もうお墓に入れてしまうのか』と泣いているようだとも思ったが、もう気持ちの整理は出来ていた。 父はやはり寂しかったのだろう。 未だに父は父らしい。