エア・アメリカ再び

きょうの出来事アメリカのトークラジオの特集有り。 きょうの出来事は質的にあまり好ましく思っていないが、今回のカット割りも無意味な誤解をまねきかねないので多少コメントしたい。
アメリカでは政治的トピックを専門に扱うラジオ番組、ひいてはラジオ局が多く存在する。 そしてその多くは完全共和党派であり、このトークラジオが共和党支持母体を少なからず支えている。 エア・アメリカという、民主党派のラジオ局が開局したことは以前お伝えしたが、この業界では異例であり特異な存在と言える。 エア・アメリカのメインDJとしてアル・フランケンがちょっとだけ紹介されていたが、何かアンチブッシュの権化のように映っていたが、彼のターゲットはブッシュではない。 ラッシュ・リンボー(Rush LImbaugh)であり、ビル・オライリー(Bill O'Reilly)である。 彼は民主党派だが、共和党批判は彼の持ち味ではない。 彼が訴え続けているのは、上記2名の他共和党支持メディアアイコンが、歪曲した事実や明かな嘘を基盤に、共和党支持母体の強化に意図的に加担していることにある。 ちなみに氏の"Rush Linbaugh is a big fat idiot"(isbn:0786207213)は激烈に面白いのでお勧めである。
エア・アメリカの他のパーソナリティにも、『真実に忠実に』というスタンスが強く伺える。 もちろん、共和党支持者の信じる真実と、民主党支持者の信じる真実には同等の価値がある。 しかし、明らかな嘘はいけない。 そして、政治的な目的の為に明らかな間違いを基礎とした煽動的かつ意図的なメディア活動はアンフェアだと私も思う。 そのアンチフォースとしてエア・アメリカが存在しているのである。 共和党批判の為では無い。
ちなみにちなみに、アル・フランケンはハーバード卒、元SNLのライターであり、自身もコメディアンとしてのキャリアもある。 "Stuart Saves His Family"での映画主演経験(というよりSNL映画だが)*1もあり。 彼のお気に入り政治家ターゲットはブッシュよりニュート・ギングリッジやパット・ブキャナンである。 かなり詳しい。 上記著作内、二人が主人公の劇画漫画"Operation ChikenHalk"は傑作。

*1:邦題は『Mr. ヘルプマンasin:B00005GTYM。 ソフトなニューエージ笑いが楽しい。 本国でも正直すべったが、他のSNL映画に比べるとかなり良い。 なんとイカす名優ヴィンセント・ドノフリオが酒乱弟役で出演。

*2:"O'Franken Factor"はビル・オライリーのFOX News番組"O'Reilly Factor"の文字り。