"Dilate" by Ani DiFranco (ASIN:B000007WRF)

”Dilate” by Ani DiFranco

私はアラニス・モリセットがあまり好きではない。 ただ別に今に始まったことではない。 初めて聞いた、8年位前から好きではなかった。 当時、世間ではグランジの波が引き、あらゆるミクスチャー系の音楽が登場し始めたときだった。 ベック、レイジ、コーン、・・・ その後数年の音楽界を席巻するミュージシャンが台頭し、そして音楽ファンはその変化に追いつこうと必死だった。 そう、アラニスもその1人、そして彼女のやろうとしていることは多くの人の共感をいち早く得た。 私も、彼女のやりたい事は良くわかったし、嫌いでもなかった。 ただ、彼女は好きでは無かった。 理由は、アラニスのスタイルはDiFrancoのもので、彼女のものではなかったからだ。
これを言うと、まぁ今は減ったから心配していないが、一昔前にはアラニスのファンが血相を変えて怒ったものだった。 だが、あくまで強気で言わせてもらうが、事実だから仕方が無い。 アメリカの音楽ファンの中で、Ani DiFrancoを知らない人はいない。 そう、日本では彼女の知名度は驚くほど低い。 音を自分で聴いてほしいので詳しく書かないが、アラニスがやろうとしていることが、はるかに高いレベルで実現されていることに気付くはずだ。作り話ではない。 一度聴いてみればいい。 Dilateは特に良いアルバムではない。 まぁ良い方だが。 たまたま私が初めて聴いたのがこのアルバムだったというだけでこれを紹介したが、別に他のものでもいい。 ただ、何でもいいが彼女の音を一度聴いて欲しい。 そして自分で判断して欲しい。