自衛隊派遣の問題

http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20031120AT1E1900H19112003.html

首相は記者会見で、イラクへの自衛隊派遣について「状況を見極め、安全面に十分配慮する」と述べ、治安の悪化を踏まえて年明けへの先送りを検討する意向を表明した。

ラムズフェルドほど無鉄砲ではないけれど、私も戦場に行くのに危険は付き物という考えを、当たり前だと思っている。 戦地とは、そういう所だ。 自衛隊とは軍隊であろう。 その軍隊が戦地に行くのに、「安全面に十分配慮」というのにはいささか違和感を感じてしまう。 自衛隊が軍隊ではないという考えには抵抗してしまう。 階級があって、兵隊がいて、武器があれば、軍隊だろう。 まぁ定義の話をしても仕方ないが。

軍隊を包丁に例えるなら、目的はずばり野菜を切ることにある。 強盗に使ったり夫婦喧嘩に使ったりもできるが、それは正しい使い方ではない。 ただ、今の自衛隊の使い方は、包丁で鉛筆を削っているようなものである。 それなら、鉛筆削りを用意すればいい。 つまり災害救助が主な目的なら、それに即した機関があればいいだけで、何も自衛隊がある目的ではないし、災害救助を任務としているからといって、自衛隊の存在意義を正当化することはできないということだ。 第一、災害救助を目的としてならば、自衛隊という組織はあまりに高価である。

包丁を持つか持たないかの議論ではない。
今すでにキッチンには包丁があるのである。 そしてその包丁の購入にも手入れにも、それなりの経済的な犠牲を出しているのである。 あるなら使えばいい。 残念ながら、包丁はキッチンには欠かせないし、軍隊も政治にはかかせない。 無くても問題ないと言うなら、そうすればいいだろう。 ただ、まともな料理ができずに姑にいびられるのも、政治圧力をかけれずに金ばかりせびられるのも、必要な道具が無ければ起こる当然の帰結だと私は思う。 さらに言うなら、日本とはそれほど料理が上手い国でも無い、と言うより「下手」の部類に入るのである。